これってうつ病?要注意!こんな症状もうつ病です。

うつ病と聞くと、深く落ち込む、憂うつで気分が晴れない状態が続くイメージがあるではないでしょうか?

確かに、うつ病による抑うつ気分では、楽しさを感じられなかいだけでなく、「悲しくてつらい」といった感情すらもわいてこない「心のエネルギー」がなくなった状態と言えます。

しかし、うつ病であらわれるのは、心の症状だけではないのです。疲れやすかったり、めまい、肩こり、吐き気など体の症状が現れることもあります。

周りからはつらく見えないことも

うつ病の患者さんには、周囲への気配りが乙い人が多く、心配をかけまいとして、症状が軽い初期には、無理にニコニコと笑っていることもあります。

そのため、自分は苦しくてしかたないのに、周りの人には元気そうに見えてしまうことがあります。

うつ病には様々なタイプがあるので、自分は大丈夫と過信せずに、心身ともに何か不調を感じたらメンテナンスすることも必要かもしれません。

うつ病のタイプ

深い落ち込みが2週間以上続く「うつ病」

気分障害の中で最も多く、典型的な「うつ病」の症状が合われるのがこのタイプです。大うつ病と呼ばれることもあります。

うつ病になりやすいメランコリー型性格

  • まじめで几帳面
  • コツコツ努力を「する
  • 責任感が強い
  • 融通がきかない
  • 無理をしてでも周りに気を遣う
  • 頼まれごとを断れない
  • 性格で綿密に仕事をこなす
  • 自分を犠牲にしてでも周りの人に気を配る

こういった性格のため、周囲からは厚い信頼を集めるので、責任ある仕事を任されたり、人から頼まれごとをされやすい傾向があります。

また、つねに高い水準を求め、自分の計画通りにいかないと気がすまない傾向があるため、状況の変化にうまく対応できず、大きなストレスを抱えてしまいがちです。

これがうつ病を発症しやすいと考えれれています。

抑うつな気分が2年以上続く「気分変調型」

うつ病のように強い抑うつ気分があるわけではないのですが、抑うつな気分が慢性的に続くのが「気分変調型」です。

気分変調型の特徴

  • なんとか仕事や学校に行ける場合が多い
  • 2年以上抑うつ気分がだらだらと続く
  • 周囲からは怠け者と思われやすい

うつ病と共通する症状

  • 気分の落ち込み(抑うつ気分)
  • 意欲の低下
  • 食欲の低下または増加
  • 不眠などの睡眠障害

うつ病よりは症状の程度が軽いですが、放っておくと「うつ病」に移行する危険性があるため注意が必要です。

どちらかというと若い世代に多く、心が繊細でちょっとした失敗でも「自分はダメだ」とクヨクヨと悩んでしまう性格の人に起こりやすい傾向があります。

気分変調型は薬だけではなかなか治らないため、時間をかけながら心にかかる負担を少しでも減らす工夫をしていきます。

気分変調型の対処法

  • ストレスのかかる生活環境の改善
  • 休職や異動
  • 転職
  • 自己否定をしないようにする
  • 根拠のない思い込みをしない
  • 考え方を変える訓練を行う

楽しい時は気分が晴れる「非定型うつ病」

「非定型」とは、典型的なうつ病とは異なるタイプということです。

そのため、うつ病ではほとんどのケースで見られる不眠や食欲の低下がないことがあり、むしろ睡眠時間が長くなったり、過食によって体重が増えることもあります。

うつ病とは異なる非定型うつ病の特徴

気分反応性

何かよいことがあったり、好きなことをしているときなどは気分が晴れる。うつ病のために何事もやる気が起きないというわけではない。

過眠

1日10時間以上眠る日が週に3日以上ある。

鉛様の麻痺

体が鉛をつけたように重くなる。

他責的

典型的なうつ病では何事に対しても自分を責めてしまいますが、非定型うつ病では責任を他人に転嫁する傾向がある。

拒絶に対する過敏性

人から拒絶されたり批判されることを過度に恐れる。人から叱られたり不利な状態になると極度に落ち込む。

非定型うつ病はこのような傾向があるため、「ただのわがまま」と思われたり、「本人の性格のせい」と思われてしまうこともあります。

非定型うつ病では、休養よりもできる範囲で私語をこなすこと、生活リズムの乱れを防ぐことが大切です。

うつ病と思わない人が多い「仮面うつ病」

うつ病では多かれ少なかれ、疲労感、不眠、頭痛、めまい、耳鳴りなどの身体的な症状があらわれます。これらの身体症状が目立ち、心の症状が隠れてしまうのが、「仮面うつ病」です。

身体の症状ばかりにとらわれてしまって、抑うつ気分などの心の変化に気づかないので注意が必要です。

「感情や気持ちの変化に気付きにく性格」「自分の気持ちは人に話すべきではない」と考えている人に多い傾向があります。

働き盛りの20代から50代はうつ病の自殺率が高い

20代から50代で働いている人は、会社の役職についたり、部下を抱え責任が重くなり、多忙のために心身大きなストレスがのしかかってくる年代です。

最近では、終身雇用や年功序列がなくなり、成果主義の企業が増えたこともストレスを増大させる要因になっています。

リストラへの不安や、それを部下や同僚に伝えるつらさなどが強いストレスになっている場合もあります。

多くの悩みを抱えながらも誰にも相談できず、ついには自殺に追い込まれてしまうケースも少なくありません。

うつ病は再発を繰り返しやすい病気

うつ病の特徴に、一度治ってもやがて再発しやすいことがあげられます。

再発までの期間は人それぞれで、1年以内のこともあれば、10年後ということもあります。また、年に何度も再発を繰り返してしまう人もいます。

再発をくりかえすと、さらに治りにくく、重症化することが多いため、まずはとにかく休養することが第一です。

治療と再発予防のためには、ストレスの原因となる仕事をきっぱりと休むことが何よりも需要です。

うつ病になる人は真面目な人が多いだけに、休職することには大きな抵抗があると思います。

休職すると社会から取り残されたような気分になるかもしれません。本当に復職できるだろうかという不安も出てくるでしょう。

しかし、ものは考えようです。休職すると自分を取り巻く環境が変わり、仕事や家族との関わり方を見直す絶好のチャンスになります。

たっぷり休養し心身のエネルギーが少しずつ回復してくるのを待つことを考えてください。

休養の目的のひとつは、睡眠時間を十分に確保することです。睡眠をしっかりとれるようになれば、心のエネルギーが充電されます。

休職は新しい人生を始めるきっかけになるかもしれません。

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