うつ病の初期症状とストレスの関係、仕事や人間関係など身近な原因

「不眠が2週間以上続いている」
「身体がだるい」
「やる気が出ない」

それはもしかしたらうつ病かもしれません。

うつ病は「気分の落ち込み」が特徴的な病気です。

しかし気分が落ち込むのは、日常生活をしていれば、まして仕事に就いている人であれば、誰しも経験することです。

仕事のストレスで夜眠れなくなったり、夜中に目が覚めたりすることも珍しくないでしょう。

精神的に疲れて何もする気が起きなくなったり、週末は一日中ベッドから抜け出せなかったり、会社へ行きたくなることも少なくありません。

健康な人が感じる「気分の落ち込み」と「うつ病」と診断されるものとの違いはなんなのでしょうか?

あなたの症状は、「うつ病」なのでしょうか?

うつ病の症状

  • 気分が落ち込み、ウツウツとする
  • 感情がコントロールできなくなって、涙が出やすくなる
  • 今まで好きだった趣味などを楽しめなくなる
  • 集中力が極端に低下し、ぼーっとしている時間が長い
  • 判断力や決断力が低下する
  • 何をするのも億劫でたのしめない
  • 自身がなくなり、自分を責めるようになる
  • 朝になると無力感や失望感にさいなまれる
  • イライラが強く、落ち着かない
  • 自殺願望が生じる
  • 夜眠れない、夜中に目が覚める、眠りが浅いなどの不眠
  • 食欲の低下または増加
  • 頭痛、肩こり、首のこりなど
  • 腹痛、便秘、下痢など
  • 性欲の低下

などの症状が2週間以上出ていている場合は、うつ病(従来型)に注意が必要です。

自分自身の症状があてはまったり、思い当たる人もいるのではないでしょうか。

色々な症状がありますが、会社員やサラリーマンで多いのが、「朝起きたら理由もなく涙が出てくる」といった強い落ち込みで感情のコントロールが効かなくなることです。

それに合わせて、物事の興味や関心が低下し、「何をやっても楽しくない」という状態や「出勤しただけでへとへとになる」くらい疲れやすくなる。また、「新聞を読むにも億劫になる」といった集中力の低下を感じるようになります。

仕事ではミスが多くなり、「自分はダメだ」と自分を責めるようになって、また落ち込むといった悪循環を引き起こします。

うつ症状を致しやすい人には特徴があります。

うつ病(従来型)を発症しやすい人の特徴

  • 生真面目で几帳面
  • 責任感が強い
  • 他人を気遣う性格
  • 頼まれたら嫌と言えない

「几帳面、真面目、他人に配慮する」といった日本人として伝統的に尊ばれてきたものです。

こういった性格傾向は、決して「悪い性格」ではなく、どちらかというと高い評価を得ることが多い性格傾向なのです。

「自分が頑張れば」「自分さえ我慢すれば」という傾向が強いために、
「過度に他人に配慮するあまり、自分を犠牲にするばかり」だったり、
「過度に几帳面なため、細部にもこだわってしまい多くの労力を必要」としてしまったり、
「過度にまじめなために、休むことに罪悪感を感じてしまい時間外労働がとても多い」ということになりがちなのです。

うつ病症状が出ているということは心身がSOSを発しているのです。それをしっかり受け止め、対応してあげられるのは自分自身でしかありません。

会社はあなたを守ってはくれません。自分でしっかり守るようにしましょう。

ストレスが原因によるうつ病

現代の社会はストレス環境がますます深刻化しており、精神的苦痛を感じている人が少なくありません。

これを読んでいるあなたもそんな環境にいる一人ではないでしょうか?

真面目な人ほど、「自分の努力が足りない」「もっと頑張らないと」と思ってしまいがちですが、ストレスが原因で症状が出ている場合、無理しすぎることは禁物です。

仕事や職場環境によるストレスが原因でうつ病になった実際のお話を参考に、自分にも当てはまる部分はないか、ぜひ考えてみてください。

IT企業に入社した29歳の男性Aさん

3か月前に新しいコンテンツの開発にかかわるプロジェクトリーダーに任命されました。社内の同僚だけではなく、社外のメンバーも参加して取りまとめなくてはいけませんでした。

「メンバー内の人間関係がうまくいかず、自分にリーダーとしての資質がないことを思い知らされました。そのため、他人の仕事まで抱え込んで、深夜まで残業の毎日が続きました。

残業だけでは終わらず、土日も家でずっと仕事をする日々です。それにもかかわらず、上司からはプロジェクトの進捗が遅いと叱責されてしまいました。」

1カ月前から夜眠れなくなり、気分が落ち込んで、仕事中も頭がぼーっとするようになっていきました。そして、ある朝、会社に行こうとして玄関を出たところで、めまいと吐き気に襲われました。さらに、心臓がバクバクして動けなくなってしまいました。

その日は、会社に電話して体調不良で休んだところ、夕方には体調が回復して、次の日は会社に行けるだろうと思っていました。しかし、翌日も朝起きられず会社を休んでしまうことになりました。

公務員2年目の男性Bさん

もともとネガティブな性格で落ち込みやすいので、成果主義の民間企業ではやっていけないだろうと思い、公務員試験を受けて合格しました。

しかし、公務員の仕事も甘いものではなく、上司や先輩たちからは「もう少し積極的に仕事をするように」「頑張りなさい」と注意を受けることが多々あります。

自分なりに努力はしているものの、頑張りすぎると心身ともに疲れ切ってしまい、引きこもりになりかねないと感じていました。

初めて参加した職場の飲み会で、先輩たちから「やる気が感じられない」「仕事を甘く見ているんじゃないのか」と集中的に叱責され、そのショックで眠れず翌日は遅刻。

その遅刻をさらに上司から叱られ、それ以来、ことあるごとに注意や叱責を受けるようになったのです。

「夜も熟睡できなくなり、朝起きて職場に行くだけで疲れ切ってしまう状態です。身体が鉛のように重く、頭もすっきりしない。休みの日も何もやる気が出ず、週末は家で寝てばかりの状態が続いています。」

販売業をしている28歳女性Cさん

大学卒業後、販売の仕事をしているCさん。仕事にはノルマが課せられており、売り上げを伸ばせないと反省会で注意を受けます。

最近、仕事に厳しい女性が上司になってから、毎日のように叱責をうけるようになりました。

それ以来、「自分はダメな人間なんだ」と自分を責めることが多くなり、夜も眠れない、仕事中もイライラが続く、理由もなく涙が出てくるという症状が出ています。

「市販の睡眠薬を飲んでも眠れず、頭がおかしくなりそうなので、リストカットをしてしまいました。そうするとスーッと気分が楽になっていくんです。」

うつ病の対処方法

ビジネスマンがうつ症状を発症するきっかけとしては、「異動になった後」「上司が変わった後」「リーダーを任さ業務内容が変わってから」「会社の組織変更があった後」など職場の環境変化によるものがほとんどです。

そういったことが原因で

  • 出勤が困難になった
  • 吐き気が出る
  • 気分が落ち込んで涙が出てくる
  • 次の日が仕事だと夜眠れなくなる

といった自症状が出てきます。

ストレスを受けた時に、それに対する対応の仕方は人それぞれです。同じ出来事でも、ストレスと感じる人もいれば、ストレスと感じない人もいるのです。

一つの目安としては、何か環境の変化があっても「熟睡を維持できる人」はストレス対応力が強い人と言えるのではないでしょうか。

「自分はすぐ不眠になるからストレスに弱いんだ…」と落ち込む必要はありませんよ。その人にあった対処をしていけばいいだけです。

対処方法も様々あります。あなたの心が落ち着き、元の状態になれるものが見つけていくようにしましょう。

しっかりした休養をとる

職場の環境変化がきっかけで「うつ病」症状が発症したのであれば、職場環境の調整が必要です。

職場のストレスとなっている原因から遠ざけてもらうことが、症状の改善に効果的なケースがほとんどです。

多くの場合、休職したり転職で職場を変えることで

「前とは違う、やっぱり調子が悪かったんだ」
「しっかり眠れる日が増えた。ご飯も食べたいと思うようになってきた」
「これまでは食事というより、エサとして口に入れている感じだったけど食事という感覚が戻ってきた」

と症状が落ち着き、回復されている方がほとんどです。

ただそう簡単に休職もできない、経済的な問題がストレス原因の場合「休職したら、生活をしていけない」とさらに症状を悪化させることもありますので、ケースバイケースで対応するようにしましょう。

人と話をする

うつ症状を発症させる人は自分の抱えているストレスの渦中にいるとき、視野が狭くなっています。自分の狭い世界の中で、もがき苦しんでいます。

そのとき自分の状況を人に話すだけでも、客観視できるきっかけになるものです。

考え方や視点を変えると言っても簡単にできるものではありあせん。しかし、人と話していると「こういった考えもあるんだな」「自分の見方はちょっと感情的だったのかもしれない」と気づくこともあるものです。

最初は、怒りや不安でいっぱいだったけれど、話しているうちに最後には何でもなかったんだと思いなおすことができることもあるものです。

「話すことは放す」ことにつながります。

自分の抱えているストレスを客観的なものとして外に出すのは大事なことです。

友達や身内だと「ダメなやつ思われるんじゃないか」「うつ病だと思われたくない」というのもあるでしょう。

そんな時は、いろいろな職場の状況を知っている専門家に話を聞いてもらい、客観的な意見をもらってみてもいいのではないでしょうか。

転職エージェントは、多くの仕事に悩む人たちから相談を受けていますので、いろいろなアドバイスをもらえるはずです。

転職エージェントへの相談や利用はすべて無料ですので、まずは気軽に相談してみてください。

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